今日は、毎月の「経営品質会議」である。
アルバイトの方も含めて、全員が参加する定例会議。
前半は「致知」という月刊誌を読んで全員が感想文を発表する、「社内木鶏」の
時間。
大人の幸福論がテーマなのだが、圧巻は、サグラダファミリア主任彫刻家の外尾悦郎氏の
対談記事だった。
氏は30年の間、未完成のサグラダファミリアの彫刻を行っているのだが、ガウディ
が残した図面など無く、部分部分について毎回コンクールがあり、落選すれば、
即仕事がなくなるといった究極の環境で仕事を続けている。
その30年で会得した言葉は、重い。
・ガウディは「人間はなにも創造しない」と言った。私ができることは「発見す
る事だけ。そのためには「観察」が大切で、観察なくして発見はない。
だから人間にとって一番大切なのは「観察」すること。つまり現実から逃避しな
いこと。その現実に正面から向かっていく勇気が重要だと。
・「いまがその時、その時はいま」というんですが、本当にやりたいと思ってい
ることがいつか来るだろう、その瞬間に大事な時が来るだろうと思っていても、
いま真剣に目の前のことをやらない人には決して訪れない。
・一度も闇の中に入ったことのない人。それは幸せと言えば幸せかもしれない。
でもその幸せは真っ暗の中から一条の光を見つけた時の喜びとは比較にならない
ものです。
・私は条件が厳しければ厳しいほど逆にいい仕事ができると思っているんです。
完璧な条件はこちらに仕事をさせてくれません。
・苦悩する人はもう、気づかざるを得ないんですよ。同じ状況にいても苦悩しな
い人はなにも気づかない。
・晩年建築資金に私財のすべてを投じ、無一文になったガウディの言葉「私がこ
の聖堂を完成できないことは、悲しむべきことではない。必ず後を引き継ぐ者た
ちが現れ、より壮麗に命を吹き込んでくれる」。
彼が求めた人間の幸福のあり方が、この言葉に集約されているように私は思いま
す。
まさに「大人の幸福論」。
私の心は震えが止まりません。