哲学者、思想家、大学教授にして
合気道7段の武道家でもある、内田 樹(たつる)さん
彼の、常に現実をみすえた平易な言葉での文章は、
ドキッとさせられることが多く、それでいて軽やかです。
氏の「武道」と「スポーツ」の違いについての考察は、
まさに傑作です!
武道をたしなむ方は、是非ご一読ください。
<本文より抜粋>
GHQの禁制で息絶えようとしていた武道的な身体技法を後世に生き残らせるために
1950年代の武道家たちが「スポーツ化」という迂路を選択したことは、
戦術的判断としてありうるオプションだったと私は思う。
私がその時代に生きていたら、その判断に同意した可能性は高い。
けれども、これはあくまで緊急避難的な迂回である。
GHQの占領体制が終焉した段階で、
「武道はスポーツだと言ったのは、当座の方便で、武道はもちろんスポーツではない」という
「変節の名乗り」をなすべきだった。・・・